*本講座は中止になりました(お申込みいただいた方々には別途御連絡申上げます)
*青花会員は2,500円で御参加いただけます(先日メイルでお送りしたURLからお申込みください。御不明の場合は以下へお知らせください)
info@kogei-seika.jp
■日時……2021年1月21日(木)19時‐21時
■開場18時半
■場所……工芸青花
■東京都新宿区横寺町31-13 一水寮(神楽坂)
■定員……15名
■内容……高木崇雄さんは私がとても信頼している工芸論の書き手です。工芸店という実践の場をいとなみながら理念を手ばなさずに中立的思考をつづけることは、じつはむつかしいと思うのですが、高木さんは両立しているようにみえます。彼の工芸論は青花のサイトでも連載しています(以下)。
https://www.kogei-seika.jp/blog/takaki/046.html
■講師……高木崇雄 Takao Takaki
「工藝風向」代表。1974年高知生れ、福岡育ち。京都大学経済学部卒業。2004年に「工藝風向」設立。柳宗悦と民藝運動を対象として近代工藝史を研究し、九州大学大学院芸術工学府博士課程修了。福岡民藝協会事務局・日本民藝協会常任理事。
■高木さんから......2004年の秋、ふと店でも始めるか、と思い立った際にまず考えたのは、店名をどうするか、ということでした。いくつか案を出し、結局残ったのが「工藝風向」で、この名をつけるにあたり参考にしたのはもちろん、フランスの哲学者ミシェル・フーコーの名前でした。
■■フーコー自身が、自分の名が日本で知られているのはその名前の呼びやすさゆえだろう、と言っている通り、軽いひびきを持っていること、漢字に当てても読めること、そしてその著書が『言葉と物』 であったこと、この三つが大体の理由です。大学生の頃、『言葉と物』原著の読書会を数人で開き、読み通していたこともあり、親しみのあったフーコーですが、まあ軽い気持ちではありました。
■■とはいえ、店を作って数年後、建築家の磯崎新さんにお目にかかったおり、いい名だね、適当って言うけれど、フーコーという名をつけたのにはきっと理由があるよ、いずれわかるよ、と言われたのをきっかけに、あらためて読み返す機会を得ると、「言説を、言説を誕生させた思考や精神あるいは主体に準拠させるのではなく、言説が展開される実践的な場に準拠させる」(ミシェル・フーコー『アルケオロジー宣言』p.31/朝日出版社)といった文章がどうも気に掛かる。気に掛かるというか、自分が店を通じてやろうとしてきたことはまさに、「日本の正しい工芸」的な「正史」が排除してきたモノが生まれつつある場に日々立ち会い、取り上げ、再び位置付けるという、鬼子の産婆のような仕事であり、それはフーコーによる系譜学的なものの見方と近いんじゃないか、とも思ったのです。つまり、自分が考えていた以上に、店の名前は店のありようを規定しているんだな、と。
■■ということで、フーコーと工芸、という自家撞着したテーマではありますが、フーコーについての振り返りと工芸への応用について、あらためて考えてみたいと思います。
■青花の会より……回をかさねる講座ですが、各回ごとの受講でも理解できる内容です。お申込みいただいた方には受講票を郵送いたしますので、講座当日に御持参ください。お申込みの受付は本サイトのみ(クレジットカード決済)ですが、他の方法を御希望の方は下記までお知らせいただけましたら幸いです。
■問合せ……青花の会/新潮社
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